PEALOUTがアコースティックセットでワンマンライヴ。そのニュースを聞いただけでびっくりだし、楽しみだし、予測はつかないし、とにかく興味
津々だ。会場は下北沢440。行ったことのある人は分かると思うが、イスとテーブルが並ぶ落ち着いた雰囲気のハコ。PEALOUTのライヴで観客が座っ
ているというのがまず不思議。SEもなにもなくフラッとステージにメンバーが現れるところからして、いつもとは全然違う、ゆるくて柔らかい空気が漂って
いる。みかん色のライトがステージを優しく照らす中、「CAN I CHANGE?」でライヴがスタートした。
前半は普段のライヴではまずやらないだろう、という選曲。「A BOY, THE MOON AND SUPERMAN」「WINTER」「BANG!」などなど、”PEALOUT
しゃべりながら、飲みながらまったり進んでいくライヴもまたいいものだ。ステージを演出する照明も、いつものような鋭い光ではなく、柔らかくて丸い。
フロントのふたりは楽器を持ち替えながら、それぞれ曲の世界をつくりあげていた。アコギ+エレキ、ピアノ+エレキ、ピアノ+ベース、ベース+アコギ_。
いったいいくつのフォーメーションがあったのだろう?
途中で数えるのが面倒くさくなった。それくらい表現の幅が広い、バンドとしての容量がでかいということだ。
前半の見せ場のひとつだったのがTHE CLASHのカヴァー「ハマースミス宮殿の白人」Vo.タカハシコウジ!
気持ち良く伸びる高音に、観客の目と耳は一気にステージの一番奥へと集中した。後ろにいても出てくるところではしっかり主張する存在感、さすがです。
05.02.15 (TUE) at 下北沢440,下北沢
1.CAN I CHANGE?
2.A BOY, MOON AND SUPERMAN
3.MELANCHOLY LIGHTS
4.WINTER
5.BANG!
6.CIRCLE OF THE METALIC SEASON
7.追憶の旋律
8.月と太陽のラプソディ
9.ハマースミスの宮殿(THE CLASH)
10.EVERYTHING
〜break time〜
11.LOSING MY RELOGION (R.E.M.)
12.FISHERMAN'S BLUES (THE WATERBOYS)
13.RAIN BELL
14.1979 (THE SMASHIUNG PUMPKINS)
15.UNIVERSAL HEARTBEAT
16.海に浮かぶ遊園地
17.Ob-La-Di Ob-La-Da (THE BEATLES)
18.PLAET ANIMALS
19.LUCKY STAR
〜E.C1〜
1.CASE OF INSANITY (THE ROOSTERS)
2.FEEL
〜E.C2〜
1.ROLLS
'05 Shimokitazawa 3Days Live Report
休憩を挟んで始まった後半は、フロアもステージもこの空間に馴染んできたのか、選曲のせいなのか、身体の揺れ幅が大きくなってきた。前半よりカヴァーが多い。メンバー全員が大好きだとういうR.E.MやTHE
SMASHING
PUMPKINSは、PEALOUTファンにとってもツボなバンド。それをこの3人で鳴らしてもらえるのだから、たまらない。PEALOUTのオリジナ
ル曲との組み合わせもばっちりで、気持ちいい流れができ上がっていた。手拍子で始めた(リズムの打ち方でひともん着あったけど(笑))THE
BEATLES「Ob-La-Di Ob-La-Da」から続いた「PLANET
ANIMALS」では、気づくと頭と足がひょいひょいとリズムを刻んでいた。座っていなかったら多分飛び跳ねているようなリズムで。アヒルの子のすりこ
みみたいに、イントロが流れただけで自然に身体が反応してしまう。それだけ、曲が耳に馴染んでいるということだ。アコースティックで聴くと歌詞がひときわしみいる「Lucky
Star」で本編は終了した。
でも、これで終わるわけがなく、当然のアンコールだったのだが、1回目が終わっても誰も席を立たない。義理とか、隣の人がやってるから、とか関係な
い、本当に自然発生的におこった2度目のアンコールだった。それに応えてPEALOUTが演ったのは、今日この曲が聴けるとは思わなかった
「ROLLS」!!
440の生ピアノを足で弾いたのはおそらく近藤さんくらいだろう_。座ってはいるものの、最後はやっぱりいつものテンションで締めてくれた。
選曲も、音も、雰囲気も全部含めてとにかく楽しかった。6月にもう一度観られるのが楽しみだ。
(輪千希美)
2/15 下北沢440 UNPLUGGED DAY
下北沢ワンマンシリーズ、2days1日目GUITAR DAY。PEALOUTがCLUB
QUEに出る最後の日でもある。出演回数がかなり多かったハコだけに、あんなライヴもこんなライヴもあったな…、と過去に思いを馳せたりして、どうして
も感傷的になってしまう。目に映るものすべてに思い出があるような気がして。
しかし、3人がステージに上がって、音を鳴らした瞬間にそんな気分は吹き飛んでしまった。少しでもしんみりしたのが悔しくなるくらい、初っぱなからいつものテンション。満員に膨れたフロアもそれに応えるように前に詰めかけ、「自分のスタイルで」踊りだす。お互いの熱が交じり合い、1つの形になってい
く様は、大きなシェルターが形成されていくようだった。それはどんどん膨らんではいくけれど、壊れることは絶対にない。PEALOUTの音が鳴り続けているうちは。
ギターもドラムもベースもヴォーカルも。1つ1つのフレーズすべてに魂をこめるような演奏がほぼノンストップで続いていく。そんな迫力だからこそ
『THE WAY』の「It’s not too late for you to start!」や『HERE,NOT
SOMEWHER』の歌詞が余計に耳に、心に入ってくる。4月の名曲『APRIL
PASSENGER』では感極まって涙する人もいたほど。しかし、しんみりしている場合ではない。激しく動き回りながら、髪を振り乱しながらありったけ
の力をぶつけてくるステージはまだまだ続いているのだから。
『SILENCE』や『SIGN』といった久々に聴く曲もあったけれど、どれも今のPEALOUTの音になっているから「懐かしい」というよりむしろ
新鮮だ。そんな自分たちの変化を楽しむように演奏するメンバーの表情もすごく生き生きとしている。PEALOUTのライヴはいつでも殺るか殺られるか、
くらいの真剣勝負だし、ストイックな部分を強く感じることが多いのだけれど、こういう自由な一面を観られるのは素直にうれしい。解散を決めてなお、進化を止めない、止められないバンドなのだ。
今日のライヴには惑星、the blondie plastic wagon、understatmentsといった、PEALOUTに追いつけ追い越せ、なバンドのメンバーも来ていて、それぞれ「最高でした!」「男泣きしました!」と賛辞の嵐だった。こうやってPEALOUTの熱は他のバンドに伝わって、違う形となって残っていくのかもしれない。
ライヴも終盤、“AGAINST”のイントロが流れると、ここまでの倍以上の歓声が上がった。ギターセットといえばやっぱりこの曲ははずせないでしょ
う!
後ろの方で観ていた人も「我慢できない!」とばかりにステージに向かって突進していった。そのままの勢いで”QUEST”に突入し、打ち上げ花火のよう
に振り上げられた腕の中、3人はステージから去っていった。でも、当然のアンコール。『GOD KNOWS I’M PROBABLY A SIN』での近藤さんの鬼気迫る歌は圧巻だった。ライヴ前に少しでも感傷的になっていたのがバカバカしくなるくらい。これは2daysの1日に過ぎない
し、ひとつの通過点。まだライヴは続くのだから。でも、2回目のアンコールで「(バンドを始めて)2回目のライヴがQUEでした。その頃よくやっていた 曲を」と、まるでこの日が最後の出演となるCLUB
QUEに捧げるようなMCで『PALE LEMONADE DRUG』が流れたら、また淋しさが襲ってきた。
そして3回目のアンコールで、岡崎さんの「終わらせたくないものを、終わりにしなくちゃいけない。でも 感謝してます」という言葉を聞いたら、さらに目頭が熱くなった。今日のライヴのこととバンドのこと。両方の意味が聞こえたから。そんな気分を吹っ飛ばせ!
とばかりに、何かに取り憑かれたように、いや、何かから解き放たれたようにベースやらマイクやらをフロアに投げ込む近藤さん。どこまでも、何があっても最後までPEALOUTはPEALOUTだ、と見せつける迫力。そうやって『心臓が動き出すとき』でガンガンに暴れて、今日は終わりか…と思っていたらクライマックスは最後の最後に待っていた。「ホントはこれで終わりですが、帰りたくねー!!」の高橋さんのシャウトから始まったのは、『C.M.C』!
まるであのフジロックじゃん!!
いろんな思いがこみあげてきて、楽しいのと淋しいのと高揚感で頭の中がぐちゃぐちゃになってしまった。この瞬間が、本当にいつまでも続いて欲しいと思っ
た。
(輪千希美)
「いつまでも終わって欲しくない」と願った昨日の余韻に浸りつつ2日目、PIANO
DAY。完全ソールドアウトのシェルターは当然超満員。後から後から人が降りてくる階段は、PEALOUTのPIANO
WORLDへの入り口だ。その世界は期待と熱気で爆裂しそうになっている。開演時間を20分程過ぎたころ、ようやく客電が落ち、『爆裂世界(DUCK
ROCK 2002
REMIX)』が流れ出した。それにのって出てきたメンバーは、近藤さんはいきなりピアノを乗り越えての登場だし、その時点ですでに並々ならぬエネル
ギーを抱えていた。それもそのはず。1曲目にもってきたのはSHOUT COOL! DANCE
FOOL!!なナンバー『ROLLS』だったのだから!
ぎゅうぎゅうだったフロアはさらに密集度が高くなって、腕を振り上げたり、ジャンプしたりするのもきついほど。それでもだれも後ろに引かない。できるだ
け近くで同じエネルギーを感じたいから。間髪いれずに続いた『15人の漂流者』では「4人目はシェルターにやって来た!」と歌い、がっちり観客の心をつ
かむ。『流浪の光』も『SATELITE EMERGENCY』も『GOOD
BYEBLE』も。こんなに激しく、カッコ良く鍵盤を叩ける人は他にいるのだろうか?頭を振るたびに大きく揺れる髪まで、それを演出しているかのように
見える。
4/24 下北沢SHELTER PIANO DAY
この日は、今日しか観られないだろう、という貴重なシーンがたくさんあった。『静かな奇跡(CHAPTER1)』で近藤さんの寝息ヴォイスに合わせて
高橋さんがゆっくり起き上がりドラムを叩き始め、最後はまた静かなカウントで曲が終わるという演出。メンバー紹介(思えば、去年この場所から始まった)
で、それぞれが見せるCOOLなソロetc_。その中でも、岡崎さんがアコギに持ちかえて始まった、『CUT』『旅人の歌』『NO
WARDS』と続いた展開は本当に大切で、忘れられない場面になった。ファンのこと泣かせようとしてないか?
と思うほど切ない曲の連続。結局ステージで先に泣かれて、もらい泣きになってしまったけれど。
その3曲の間は水をうったように静まり返った場内だけれど、『月と太陽のラプソディー』からは即もとのテンションへ。今日も宙を舞うようにスティック
を振り続ける高橋さんは「家を出るときはジョー・ストラマーに手を合わせて出てくる」らしい。そんな高橋さんの思い入れたっぷりのTHE
CLASHのナンバーあり、『FLY HIGH』〜『LADY MADONNA』の定番メドレーありと、本当にバラエティに富んでいるPIANO
DAY。近藤さんのパフォーマンスも、両手が自由になるから(!?)か、いろんな動きが飛び出してくる。『PLANET
ANIMALS』で踊り狂いながらイスを頭にのせる、なんて新技も!
最近のたがが外れたような近藤さんの壊れっぷりは本当に最高だ。ステージも客席もぶっ壊れたままで本編最後の『爆裂世界』へ。どこまでも、どこまでも、
どこまでも続く音とダンスの波。この曲の魂はやっぱりどこまでも続いていくんだ。
アンコール1回目は『EVERYTHING』をじっくり聴いて、『BEAT FOR YOUR
RIGHT』で思う存分大暴れ。これで終わりでも満足なくらいだったのだが、昨日もアンコール3回やったし、今日もやっぱりもうちょっと観たい。で、2
回目はドラム岡崎、ベース&ヴォーカル高橋、ピアノ近藤のニューフォーメション!? 「下北沢シェルター、I LOVE
YOU〜〜〜!!」とメタルバンド並の高橋シャウトでアンコール終了_は冗談だった。『ニュールンベルグでささやいて』で無事それぞれの定位置に。この
時、「オレよりカッコ悪く踊ってよ!」と言われたのだが、あのギュウ詰めの状況で踊るのは難しいです、近藤さん!
そして、3回目。曲が始まる前に高橋さんが「オレ達が(みんなを)元気にしちゃってるんじゃないかな?」となんの気なしに言ったのだけれど、それには
その場にいた全員が賛同した。PEALOUTの音楽がなかったら、こんな状況とっくにリタイアしてる。最後は『POLICE ON MY
BACK』〜『I FOUGHT THE LAW』、Vo.浩司・ストラマーの『WHITE
RIOT』のクラッシュメドレー。大満足の高橋さんは感謝の気持ちをダイヴで表して、ステージを後にした。3人のやりきった!という笑顔が印象的だっ
た。
これで2月のアンプラグドから続いた下北沢ワンマンシリーズはひとまず終了。でもPEALOUTのライヴはこれで終わりじゃない。さあ、次だ!
(輪千希美)
05.04.23 (SAT) at Club QUE,下北沢
1.Over Here
2.Selector17
3.The Way
4.New Chord
5.Feel
6.Here,Not Somewhere
7.Lost In Hell
8.April Passenger
9.Silence
10.Stand
11.ソウルライダー
12.Sign
13.New Song
14.透明の景色
15.Before Today
16.11:15
17.Jet Desire
18.Against
19.Queste
〜E.C1〜
1.God Knows I'm Probably A Sin
2.Suicide In Youth
〜E.C2〜
1.Pale Lemonade Drug
2.響音狂鳴
3.Light For You
4.I Am The Walrus
〜E.C3〜
1.心臓が動き出すとき
2.C.M.C.
05.04.24 (SUN) at SHELTER,下北沢
1.ROLLS
2.15人の漂流者
3.流浪の光
4.HEIDI
5.LIFE
6.SATELLITE EMERGENCY
7.GOODBYEBLE
8.静かな奇跡 Chapter1〜
9.CUT
10.旅人の歌
11.NO WORDS
12.THE LIGHT
13.月と太陽のラプソディ
14.PIANOMAN R&R SHAKE SHAKE SHAKES
15.FLY HIGH 〜LADY MADONNA
16.透明の地球儀
17.LONDON CALLING (THE CLASH)
18.SUNDAY RAINBOW
19.PLANET ANIMALS
20.爆裂世界
〜E.C1〜
1.EVERYTHING
2.BEAT FOR YOUR RIGHT
〜E.C2〜
1.ニュールンベルグでささやいて(THE ROOSTERS)
2.ラインを越えて (THE BLUE HEARTS)
〜E.C3〜
1.POLICE ON MY BACK〜I FOUGHT THE LAW (THE CLASH)
2.WHITE RIOT (THE CLASH)